日本書紀の中に「スギとクスノキは舟に、ヒノキは宮殿に、マキは棺に使いなさい。」と書かれています。

ヒノキは昔から宮殿の建設用として最適で最高の材と言われ、現在も神社や仏閣を建てるための木材として使われています。ヒノキは伐採してから200~300年の間 徐々に強度を増していきます。
法隆寺や薬師寺の塔は、1300年経った今も立派に維持されています。



三重県伊勢神宮で20年ごとに社殿を造り替える「式年遷宮」の工事には1万本ものヒノキの良材が使われるそうです。

木材の伐り出しに始まり、製材、乾燥、刻み、建て方と、かかる歳月は約8年!
建築技法は昔から変わることなく、木材は大工が手刻みで加工します。

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では、式年遷宮で解体された旧社殿の柱や鳥居などの行方は…?

選び抜かれた良質な材料、まだまだ強度にも優れているので、そのほとんどが再利用されます。
全国の神社に譲渡されて建物の修復に使われています。
「再生」「循環」しながら、古材は生き続けています。


次回、第63回神宮式年遷宮は2033年。
昨年10月に斧入式が行われ、すでに準備は始まっています。