京都国立博物館では、『池大雅 天衣無縫の旅の画家』が開催されています。

池大雅と言えば【十便十宜図】。
日本史の授業で習った覚えがある方も多いのでは。
清の劇作家・李漁が別荘の伊園での生活をうたった詩『十便十二宜詩』のうちの十便十宜について、池大雅と与謝蕪村が描いた作品です。

李漁は『別邸での田舎暮らしは不便なことが多いであろう』と言われたこと対して、便(便利なこと)と宜(よいこと)の詩をつくってこたえました。


十便とは…

・耕便(こうべん)
・汲便(きゅうべん)
・浣濯便(かんたくべん)
・潅園便(かんえんべん)
・釣便(ちょうべん)
・吟便(ぎんべん)
・課農便(かのうべん)
・樵便(しょうべん)
・防夜便(ぼうやべん)
・眺便(ちょうべん)

田を耕すのも、水を汲むのも、洗濯も、畑仕事や釣り、詩を吟じて、あたりを眺めるのも…
自然とともにある暮らしの楽しさや喜び、豊かさを描いています。


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▲『釣便』 
蓑も着ず笠もかぶらず小舟にも乗らず。一日中東の窓辺に座って釣りを学ぶ。客が立ち寄るといつも酒を用意する。しずかに香りのよい餌を放ると軽やかなはやが顔を出す。



気持ちの良い季節になりました。
田舎の生活の楽しみを感じられる季節になりました。
「不便なこともあるけれど、それが良い」と、おおらかな気持ちで生活したいものです。



(ちなみに池大雅展は5/20(日)までだそうです!)